ぺこまるの「介護が始まるよ」

2023年5月に父が倒れ、同時に母も認知症に。介護前哨戦の記録。(家族信託についてはこの情報を当てにせず、専門家への確認をお願い致します)

公証役場から公証人来る。

ついにこの日が来た。公証人との面談。おっかない人だと困る。公証人は元弁護士などの偉い方が多いので、失礼をすると、まとまらない可能性もあると聞いていた。しかし、最近の父母の状態は悪くないので、公証人の先生さえ大丈夫な人なら、まずだいじょうぶだろうという気持ちもあった。

当日はいい天気だった。

20分前に老人ホームの部屋に入ると、父がしかめっ面をしていた。母がいない。母は風呂へ行ったとのこと。施設の方が、段取り通り、動いてくださったようだ。本当に助かる。父は母が面談前に風呂に行ったことを責めてご立腹気味である。母が来て、テーブルを調整する。司法書士の先生も来るので、5人での面談。部屋のテーブルがいっぱいである。かといって、他にプライバシーの守れる部屋がないので仕方ない。

 

先生が来た。司法書士の先生は今回は脇役とのことで、後ろで見ていてもらう。公証人の両脇に車椅子の父と母が座る配置となった。流石に狭い。公証人はちょっと遠いT市から来た方で、司法書士の先生が懇意にしている方であった。厳格な感じの方ではなく、ちょっとヘラヘラと柔和な感じの方である。よかった。

面談は前回と同じく、公正証書化した契約書を全文読み合わせる内容であった。部屋が温かいので途中で父が寝てしまわないか心配だったが、最後のサインまで無事終了した。途中、公証人から「二人部屋の老人ホームは珍しいですね。見つけるのが大変だったのでは?」などと、会話が出るなど、和やかに終わった。サインをして無事終了。父はかなりサインの練習をしていたが、公証人が貸してくれたサインペンが書きやすかったようで、無事書けた。

最後に父が公証人と会話をした。N区とK町の公証役場へ行ったことがあるとのこと。しかも相続の手続きで行ったという。そんな話聞いてないぞと色めき立ちそうになったが、どうも中途半端な状態で体が言うことを聞かなくなってしまったようだった。

公証人が引き取ったあと、司法書士の先生に権利書を預ける。先生から法務局に提出し、2週間ほどで名義が書き換わるとのことだった。父の表情は寂しそうに見えた。

 

大きな山は越えた。しかし、このあともやらなければならないことは山とある。大きな山は実家の売却だろう。今回の騒動の中で、これが一番厄介な作業である。

 

午前中に終わった。お祝いに自宅の駅まで小さなコミュニティバスに乗った。風はまだ冷たいが、日差しはすっかり春である。最初に家族信託のセミナーに行ってからちょうど半年が経過していた。