ぺこまるの「介護が始まるよ」

2023年5月に父が倒れ、同時に母も認知症に。介護前哨戦の記録。(家族信託についてはこの情報を当てにせず、専門家への確認をお願い致します)

家探し その2

ケアマネとあった足で、ランチ後、実家へ向かう。

今日は主に父の請求書を探すミッションである。またしても父からの司令。

この介護の大半は、介護ではなく父の書類処理に費やされている気がする。

最初はスイカの切り身で母をなごませる。女性が二人いると助かる。しかしうまくいかない。

母は相変わらずホラーな与太話を繰り出す。今ここに誰かいるとか。ほら、この引き出し開けっ放しなの誰かのせいとか、カバンが空いているのは誰かが今持ってたからとか。(私が開けたのに)

 

父の要望で母がめちゃめちゃにしつつある実家から書類を探し出す・・・母がブロックする。父に電話をかけ、母を説得してもらう。この繰り返し。

 

結果、固定資産税と高齢者医療保険の納付書が見つかった。そして、訳の分からない損害保険の申込書。これらを引き上げる。父が気にしていた介護保険の納付書は見つからなかった。そして、貸金庫のカードもまただめだった。

 

妻と弟の妻が探している間、私は母に張り付いて、愚痴などを聞いていたが、やがて弟の母に対する罵詈雑言が激しくなり、どなりちらす弟の罵声の下で、母をなだめ続けた。弟の母への怒りは相当らしく、罵声は延々とつづいた。

大捜索にも関わらず、細かい請求書は見つからなかった。

 

 

その足で、父のいる老健に向かう。コロナがじわじわ迫ってきている時期であったが、担当相談員のはからいでなんとか兄弟2人と相談員、父の4人で面会できた。

しかし、あまり身のある話はできず。

父からは施設の調査を急ぐよう依頼があった。これはいい話だ。

 

実家に戻ると、母と妻二人は留守であった。ここぞとばかりに操作再開。弟は父がカードを隠したという袋を見つけ出した。私達兄弟が首が取れるほど愛玩していたらしいクマとパンダの縫いぐるみ。そのなかにあるという。しかし、なかった。

施設にはいるとなると、年金だけでは足りない。当然、この古くて巨大な実家を売りに出すことになる。このぬいぐるみたち、捜索の途中で見つけた私のデザインの課題やら、家族の思いの詰まったものがこの実家にはつまっている。しかし、もうそれらに思いを馳せるほどの余裕が我々兄弟にはすでにない。

 

母の部屋を出るところ、母と若い女性が写っている写真が飾ってあった。私の妻だった。なぜかそれだけが心に引っかかった。